コラム アルミの切削加工時の変色を防止する方法とは? 2022.04.21 いつもお世話になっております。 今回は「アルミの切削加工時の変色を防止する方法とは?」と題しまして、 アルミの変色について特集いたしました! 「アルミを加工すると変色することがある…」などのお困りごとはありませんか? 切削加工時のアルミの変色について、その原因と対策を徹底解説しております。 ぜひ、ご拝読ください。 目次 1.アルミの変色とは? 2.原因と対策 3.よくある質問 4.弊社のアルミの変色を解消した事例をご紹介! アルミの変色とは? 切削加工や洗浄処理をしたアルミニウムの表面が白くなったり、黒ずんでしまうことを私たちの業界では、アルミの「変色」または「腐食」と呼んでいます。 アルミニウムは、自然環境下では不動態皮膜を形成しており、手で触れたり中性の液体と接触しても変化しませんが、切削加工すると不動態皮膜も除去されて新生面が出現するので、他の物質と反応しやすくなってしまいます。 特に水溶性切削油や水系洗浄剤を使用して加工する場合は、アルミニウムが液中のアルカリ成分と反応し、アルカリ腐食により変色することがあります。 また、アルミニウムと異種金属が接触した場合に、電解腐食が発生することがあります。 一般的なアルミ変色のしやすさ:A2000系>A7000系>A5000系 原因と対策 現象 対策 加工面が変色する アルミ対応の切削油・洗浄剤を使用する 治具との接触面が変色する 治具と材料の間に絶縁体を塗布する 液が汚れてくると変色する 液のろ過、液の入れ替え アルミ対応の油剤を使用しても変色する 濃度が適正か確認する、別の油剤を検討する 油剤を新液に交換して初期のみ変色する クーラントに専用の添加剤を投与する こちらの写真は、A5052材を研磨後に3%水系洗浄剤に浸漬し、24時間後の変色確認をしたものです。 写真の左側の試験片は、通常の強力洗浄剤に浸漬したもので変色がありました。 一方、右側の試験片は、アルミ対応の洗浄剤に浸漬したもので変色はありませんでした。 写真:[左側]通常の洗浄剤に浸漬⇒変色あり [右側]アルミ対応の洗浄剤に浸漬⇒変色なし よくある質問 1.アルミ対応の切削油・洗浄剤でも変色するが、濃度を薄くすれば解消できる? アルミ対応の切削油・洗浄剤は、変色を防止する成分が含まれています。 濃度を薄くすることで、変色の原因であるアルカリ成分も薄くなりますが、同時に変色を防止する成分も薄くなってしまうので、結果としてトラブルが解消しない場合があります。 また、低濃度での使用は、液の腐敗や機械・製品の錆など別のトラブルを引き起こす可能性があるので、推奨範囲内の濃度で使用することを推奨いたします。変色対策として、弊社よりアルミの加工で実績のある油剤をご提案できますので、是非ご相談ください。 2.アルミ対応の水溶性切削油を使用していて、半年も経たずに腐敗するのは? アルミ対応の水溶性切削油は、アルミへの影響を少なくするために、鉄用の油剤に比べて菌に対する耐久性が弱く、腐敗・臭気を起こしやすいものがあります。アルミの加工が多いと切削油が分離し、そこから腐敗や性能低下が起きることもあります。適切な管理方法のもとで、安定性に優れる切削油を使用してみてはいかがでしょうか。 下記のページで、切削油の腐敗を防止するための正しい管理方法や、アルミ加工におけるクーラント腐敗・分離の改善事例をご紹介しております。ぜひご覧ください。 >>クーラントの腐敗・臭気を防止する正しい管理方法<< 3.鉄は問題なく加工できるのに、アルミの加工で面精度が粗くなるのはなぜ? 切削油に使用される成分は、鉄に効き目があるもの、アルミに効き目があるもの、ステンレスなどの難削材に効き目があるものと様々です。 もちろんどの材料もよく切れる万能性に優れる切削油もございます。変色対策だけでなく、加工性・面精度の向上ができる切削油もご提案できますので、是非ご相談ください。 弊社のアルミの変色を解消した事例をご紹介! 最適な油剤選定でアルミ材の変色を解消した事例! アルミ加工に推奨されている水溶性切削油を使用していましたが、部品の加工面に白いシミが発生。切削油を新液に入れ替えた直後に多く発生し、アルミ変色防止剤を添加することで対応していましたが、その後も不定期に白いシミが発生するので、添加剤を常備していました。そこで、アルミの変色を防止するだけでなく、難削材まで加工できる油剤をご提案し、テスト導入する運びとなりました。 本事例の続きはコチラ▶▶ さいごに いかがでしたでしょうか。 このように切削油剤の選定など、適切な対策を取ることで、アルミの変色を防止することができます! アルミの変色のお悩みの方は、ぜひ下記よりお問い合わせください! お気軽にお問い合わせください。 潤滑油、切削油などの提供から廃液の回収やリサイクルにいたるまで、 工業用油剤に関するお困りごとは長岡石油までご相談ください。 お問い合わせはこちら Tweet Share 【工業用潤滑油のお困りごと解決News】切削油で取り... 【工業用潤滑油のお困りごと解決News】切削油の手荒...