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切削油(クーラント)の臭いの原因とその対策方法とは?

いつもお世話になっております。
この度は、切削油(クーラント)の臭いの原因とその対策方法について解説いたします!
切削油の臭いにお困りの方はぜひご覧ください!

工作機械で金属などの材料を切削して求められる寸法に仕上げる際に、使用するのが“切削油”です。“切削油”は、機械のクーラントタンクに入れて繰り返し使用されるので、臭いが出てしまうことがあります。臭いが出てしまうと、作業環境が悪くなり、切削油の性能も低下しているおそれがあります。そのため、 “切削油”の臭気対策は生産効率の向上、作業環境の改善のために重要になってきます。                                                       ここでは、切削油の性質や、臭いが発生した際の原因と対策方法を解説いたします。生産現場の臭いにお困りの方はぜひご覧ください!

 

切削油のニオイの原因とその対策

(1)油を水で薄めて使う”水溶性切削油”

マシニングセンタや旋盤、研削盤等で金属などを切ったり削ったりする際、使用されるのは工具だけではありません。加工部分に“切削油”が放射されることで、切りくずや摩擦熱が除去され、製品がキレイに仕上がり、工具の摩耗も抑えられるのです。

切削・研削加工における油剤の使用は、20世紀前半から研究が進められ、自動車産業の発展とともに普及してきました。“切削油”は、ストレートで使用する不水溶性切削油(油性切削油)と,水に希釈して使用する水溶性切削油に分けられており、当初は不水溶性切削油の使用が大半を占めていましたが、近年は工作機械が進化するにつれて、今までは職人が手作業でおこなっていた切削加工が自動化、高速化されるようになったため、“切削油”も安全性や冷却性に優れるものが求められるようになり、今や水溶性切削油を使用する機械の方が多くなってきました

(2)水溶性切削油はなぜ腐らない!?

水筒に入った飲料をそのまま数日放置しておくと腐ってしまって、飲めなくなりますよね。水に混ぜて使う切削油においても同じことが言えますが、水溶性切削油は通常、油の他に水中のバクテリアといった細菌が繁殖するのを防ぐための成分も含まれており、水に混ぜても暫くの間は腐らないように作られています。そのため、水溶性切削油は加工点に放射され、タンクの中に戻ってきた後も再度ポンプアップされ、繰り返し使用することができるのです。

(3)それでも腐ります!

水溶性切削油にはバクテリアの繁殖を防ぐための成分も含まれているとはいえ、繰り返し使い回していくうちに切削油本来のバランスが崩れ、バクテリアの繁殖を許してしまいます。その結果、ニオイやカビの発生、切削油の性能低下などのトラブルが起きてしまい、液の入れ替え作業が必要になることがあります。              切削油のバランスが崩れる原因として、代表的に以下の3つが挙げられます。

①油剤成分の持ち出し

切削・研削加工した製品や切りくずによって切削油の成分は持ち出されるので、繰り返し使い回していくと切削油のバランスは崩れてしまいます。そのため、切削油は持ち出された分をその都度注ぎ足し、なるべく新液に近い状態を維持することが重要になってきます。                                   また、タンク内に切りくずが蓄積すると切削油の循環が阻害され、バクテリアが繁殖しやすくなるので、切りくずの除去も有効です。

 

②濃度変化

切削油は補給時に適正な倍率で補給したとしても、使い回していく中で、製品や切りくずによる成分の持ち出し、加工熱や気温上昇による水分の蒸発などが原因でタンク内の切削油の濃度は変化します。そのため、こまめに切削油の濃度を測定し、その結果に応じた倍率で補給を行うことが重要になってきます。

③他油の影響

他油とは、油圧油、摺動面油、前工程の加工油など、工程間で切削油に混入してしまう異種油のことを指します。                           油が混入すると、切削油本来のバランスが崩れたり、空気を嫌うバクテリアが繁殖しやすい環境を作ってしまい、腐敗・悪臭、分離といったトラブルが発生しやすくなります。そのため、切削油から他油を除去できるようなシステムの構築が必要となってきます。

(4)切削油から他油を除去するには?

他油は、オイルスキマーや浮上油回収装置を用いて除去します。そこでポイントとなるのは、使用している切削油、摺動面油、それらの相性を考慮した油剤選定です。混ざりにくい油剤の場合、右の写真のように切削油と他油がくっきりと分離しており、オイルスキマーなどで除去できます。

 

(5)他油を除去したことによる水溶性切削油の課題解決

事例1

業種:金属の切断、穴あけ、板金加工 設備:マシニングセンター

使用している水溶性切削油の質が悪化しカビや臭いの原因になっている状態でしたが、洗浄性に優れる水溶性切削油の使用に切り替えたことで改善した事例です。
本事例の続きはコチラ▶▶

事例2

業種:機械設計製作、機械部品加工 設備:マシニングセンター


摺動面油が回収し切れないために使用している水溶性切削油にニオイや分離が発生しやすい状態でしたが、他油分離性に優れる潤滑油に切り替えたことで改善した事例です。
本事例の続きはコチラ▶▶

【おまけ】不水溶性切削油の臭い対策

不水溶性切削油を使用していて、臭いが出ている場合、それは切削油そのものの成分臭やミストであることが多いです。加工性のなどの一次性能を落とさずにできる対策はいくつかあります。

①ミストコレクターを設置する
②低ミスト型の不水溶性切削油を使用する
③無臭タイプの不水溶性切削油を使用する
④使用する基油(ベースオイル)の種類を見直す
⑤使用する添加剤の種類を見直す

(6)さいごに

いかがでしょうか。
このように、切削油(クーラント)の臭いについては、適切な切削油の選定で解決可能な場合がございます。
切削油(クーラント)の臭いについてのお悩みは、ぜひ下記フォームよりお気軽にお問い合わせください!

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・クーラントの臭気が気になる
・油剤の腐敗対策がしたい
・劣化による油剤の交換頻度が高くて困っている
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