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【工業用潤滑油のお困りごと解決News】切削油のミスト対策【2021年3月号】

●ミストによって高速加工で加工点が見えづらい…   

●ミストで工場の床が滑りやすい…          

●クーラントのニオイが加工現場に漂っている…    

●工場の換気や清掃などに時間がかかり、生産効率が悪い

●ミストがオペレーターの健康や気分に影響がないか心配

最新技術により、低ミスト化を実現した水溶性切削油。汎用切削油と比較して、工作機械を扱っているオペレーターのミストを吸引するリスクが少なく、安全性・作業性に優れる。加えて、ミスト化しにくいことで、切削油の補給量削減にも繋がる。それだけでなく、

  • ミスト発生量の低減による工場の臭気・汚れ防止
  • 換気時間や清掃時間の短縮による生産効率の向上
  • ミストコレクターの稼働率低下による電力使用量の削減

といったメリットも期待できる。また、半透明タイプでありながら、白色タイプの切削油と同等以上の加工性を誇り、油剤のべたつき低減や他油の混入防止といった効果も得られる。

【お困りごと】高速加工が多い現場で、水溶性切削油によるミスト発生量が多く、新人の女性オペレーターの加入に際して作業環境を見直すことになりました。現場の窓を開放することでミスト対策を試みましたが、製品の品質に影響が出たり冬場になると現場が非常に寒くなったり、といった別の問題が発生し、なかなか解決できていませんでした。

【導入効果】低ミスト切削油のテストをご提案し、弊社で更液作業を承りました。ミスト発生量は大幅に減少し、新人の女性オペレーターも気にならない程度になりました。また、機械周りの汚れも少なくなり、働きやすい作業環境となりました。

【お困りごと】マシニング加工で危険物第4類第3石油類の不水溶性切削油(6㎟/s(40℃)以下)を使用していましたが、消防法で指定数量に近いため、第4石油類の使用を検討していました。粘度を上げることで引火点を上げることはできますが、ワークによる切削油の持ち出し量を増やしてしまうため、購入量が増加するという懸念がありました。また、クーラントポンプの能力が低く、高粘度の切削油に対応していなかったり、後工程の洗浄にも負荷がかかってしまうことから、できるだけ低粘度が望ましく、なかなか理想とする切削油にたどり着けていませんでした。

【導入効果】低粘度で高引火点の油剤を作るには、ベースオイル・添加剤・粘度等のバランスが非常に難しく、加工性だけでなく粘度や引火点を網羅するために、度重なる協議と開発を進めました。時間はかかりましたが、4石油類の専用油を開発し、低圧のポンプにも対応できるように粘度は9㎟/s(40℃)以下に設定しました。現行油・他社から提案された第4石油類の油剤と比較すると、加工性は現行油・他社の油剤と同等の評価ではあるものの、経時での使用量を確認していくと、他社の油剤は1割増加した一方で、こちらの油剤の使用量は現行油と同等でした。また、低粘度に抑えたこともあってミストの発生量も減り、機械窓の開閉時などで工場内を浮遊するミスト量も減少したため、作業環境が改善されました。

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